温森おかゆの雑文倉庫

主にTRPGについての個人的集積。

2024/9/22アンサング・デュエット【アンブロークン・アロウズ】

 入院3日前に、現状最後の卓が終了した。あとは1週間は戻ってこられないが、この思い出を胸にニヤニヤしながら頑張れるくらいには良い卓だった。

 今回プレイしたのはつぎのさんGM、『アンサング・デュエット リプライズ』掲載の高難易度シナリオ、【アンブロークン・アロウズ】。しょっぱなから高い難易度の判定が襲い来る、どらこにあんの殺意が垣間見えるシナリオである。

 特殊ギミックを活用し、リソースを温存、やりくりしつつ、中間までは危機感すら覚えたが、結果的に両者生還。恐ろしい世界から、辛くも生還を果たし、ふたりの絆も深まった。

 高難易度のシナリオの何が良いって、ヒリつけばヒリつくほど仲間が愛おしく思えるのだ。吊り橋効果というやつだろうか。
 今回、先輩を支えたがる犬系後輩をプレイしたが、最終的に先輩への恋心が勝手に生えてきた。
 クーデレ先輩×犬系後輩はいいぞ。

 

◆アンサング・デュエットとは

 現実と隣り合わせの危険な世界、異界。その真の姿を見抜く特殊能力を持つがゆえに、異界に取り込まれやすいシフターと、そのシフターを異界から助け出すバインダーとなって、危険な場所からふたりで脱出する物語を描く、どらこにあんのTRPGシステム。

 プレイヤー人数は1~2人までで、GMとPLの1on1か、プレイヤーふたりまでと定員は少なく、難易度はゆるめ。シナリオに登場するPCも必ず2人までと、「いちゃいちゃしろ」と言わんばかりの設計である。

 特筆すべきは、その人をその人たらしめる要素を表す6つの“フラグメント”と、“変異”のルール。シフターとバインダーは、異界の影響を受けるたびに、自分の身体や精神が別のものへと「変異」していく。

 CoCの発狂のルールや、エモクロアの共鳴のルールが好きな人は楽しめるだろう。隣に立つ大切な人が、もし変わり果てていってしまったら……? これはそんな中で、支え合うふたりを演出するためのシステムである。

 

◆バインダー:犬神 花鶏(いぬがみ あとり) PL:おかゆ

 異界を調査、対策する、警視庁異界対策室の新人女性警察官。
 底抜けに明るく前向きな性格で、困っている人は放っておけず、たとえ目立たないことでも人の助けになれるのであれば懸命に取り組む、まさに異界対策室におあつらえ向きなキャラクター。

 バディが決まって異界対策室のエージェントとして正式配属になるまでは、シフターの“鬼本 零士(おにもと れいじ)”のもとで教育を受けていた。正式配属になるとともに、バディが、それまで教官だった鬼本零士その人に決定。アトリは恩返しができると喜び、鬼本というシフターを支える決心を新たにするのだった。

 終始、出目が低迷していたあたり、ある意味後輩らしい。だが、持ち前の正義感と後先を考えない勇気ある行動で、一般人や仲間を助け出す。

 

◆シフター:鬼本 零士(おにもと れいじ) GM:つぎの

 異界対策室のエージェント。
 異界対策室の設立からずっと活動してきた古参のエージェントであり、「自分」というものに執着せず、忘却でフラグメントを失っては、新しい「自分」を構築することで、感情や表情、記憶を失いながらも、活動を続けていた。

 きわめて冷静、そして冷徹な青年。その性格を表すように、その肌は氷のように冷たく、周囲には冷気を纏(まと)う。
 異界に影響を及ぼす装備である“フラグメントバレット”を使用する際、弾丸は異界を凍らせる。

 アトリとは別の形で、ストイックな性格であり、特に異界において一般人の救助にあたる際には、とても厳しい態度をとる。

 後半になると出目が高くなる、非常に頼もしい先輩。先輩の判定成功がなければ、もう少し厳しい状態での帰還になっていたことだろう。

 

NPC

◆阿部 神戸(あべ こうべ)

 警視庁異界対策室の室長。
 鬼本と同じく、異界対策室の設立に携(たずさ)わった初期メンバーのひとりであり、今は室長室の椅子に座って、エージェントたちに指示を出す役割を担っている。
 異界で受けた変異によって、見るたびにその姿が「変わって見える」。時には妖艶(ようえん)な女性、ある時は銀のオールバックに胡乱(うろん)な笑みを湛えた、初老の男性。しかし、姿は変われど、なぜか見る人は阿部を阿部だと認識するので、仕事に支障はない。

 常に飄々(ひょうひょう)とした性格で、殉職(じゅんしょく)、引退の多い異界対策室において、残酷とも言える決断を平気で下す人物だが、心の底では部下への心配と思いやりが共存している、清濁(せいだく)併せ呑む人物。

 鬼本とアトリの上司として、ふたりを茶化しつつ、ときに異界に立ち向かうための情報を外部からもたらしてくれる。