2026/2/15新CoC【クラウド・ジョーズ~地獄の艦隊~】
2月15日のTRPG例会にて、新クトゥルフ神話TRPGのシナリオ【クラウド・ジョーズ~地獄の艦隊~】をプレイした。
こちらは公式のBOOTHショップで有料配布されているいくつかのシナリオのうちのひとつであり、CoCのサプリメント『クトゥルフ・ホラーショウ』のルールを採用し、B級ホラーの舞台を存分に楽しめる内容となっている。
当日のセッションでも、B級ホラーあるあるで盛り上がり、楽しいプレイとなった。
その日の定例会には、初心者の参加者が来ていたため、シナリオに同梱されていた4体のプレイアブルキャラクターから1体を選んでプレイしてもらうことに。
クトゥルフ神話TRPGはただでさえルールが重めのシステムのため、キャラクター作成からやってもらうとそれだけで疲れさせることもある。プレイアブルキャラクターがあるとないとでは、やはりインストラクションのやりやすさも、スムーズさも違った。最近のクトゥルフ神話TRPGも、手軽さを実現するため色々進化しているようだ。
プレイアブルキャラクターを1枚1枚キャラクターシートに書き写す作業は少し大変だったが、やっておいて良かった。
とはいえ、一部のプレイヤーからは「プレイアブルキャラクターで名前や設定を決められてしまうのは嫌だ」との声もあったので、次回からはブランクキャラクターシートの準備も怠らないように気をつけようと思う。
プレイアブルキャラクターの他、シナリオ同梱の地図やスチル画像に加え、シナリオ中に出てきた実在のアイテムの画像も印刷して持参。これはプレイヤーたちにも好評で、目に見える資料があることで、シナリオをより深く楽しんでもらえたようだ。
当日来ていた初心者の方はなんと、韓国出身の方だという。日本語の聞き取りと発話にある程度習熟した方だったため、会話に苦はなかったことが救いだった。
とはいえ、トークで進めるゲームである以上、伝わらなくては始まらないので、セッション中は難しい言葉を簡単に言い変えることを努力した。どれほど伝わったかはさておき、セッションは無事終えられる程度には伝わったようである。
伝わりやすいように、シナリオの独特の雰囲気を伝えるため、当日のセッションはいつもより身振り手振りを加えて多少大げさに表現することに努めた。気分はユニバーサル・スタジオ・ジャパンで「JAWS/ジョーズ」のアトラクションクルーを体験しているようだった。
どれほど効いたのか、それともそもそも必要のないことだったかは分からないが……「楽しかった」と言っていただけたことは十分な成功だと思っている。
その方とは韓国の映画や文化などでも雑談を交わし、大変楽しい時間を過ごすことができた。当日の成功は大半、この人の人徳に拠るところが大きいであろうと思う。
2025/1/29アリアンロッド2E【十年花を求めて】
ミドリガニさんから、アリアンロッドRPG 2Eに興味がある初心者の方をご紹介していただき……今回は、基本ルールブックとクイックスタートキャラクターをフル活用して、初心者向けの体験卓を行った。
今回は、キャラクター1レベル、初心者向けの難易度でありながらダンジョンハックを楽しめるようなシナリオ。参加してくださったPLの皆さんも、マップを埋めるか、正規ルートを進んでしまうか悩んだり、見えない罠に警戒したりと、ダンジョンハックを大いに楽しんでくださったと思う。
最初にご招待した方以外にも、アリアンロッドを体験してみたいという方が2名も来て下さり、今回はなんと最大人数の5名で冒険に挑むことができた。やはり5人もいればキャラクター作成の幅も広がり、より楽しい冒険を楽しめるものだ。
◆アリアンロッドRPG 2Eとは
純ファンタジー路線のソード・ワールドやD&Dと比べると、こちらの方はMMORPGをイメージ元として作られており、現代世界からの転生PCをプレイすることも可能となっているのが大きな特徴。
◆シナリオトレーラー
10年に1度しか咲かない希少な花が、グランフェルデン付近のエッツェンの森で発見された。
この花の蜜は高い薬効があり、難病の特効薬になるとして珍重されている。
駆け出し冒険者たちの今回の依頼は、この花を採取してくることだ。
アリアンロッドRPG 2E
「十年花を求めて」
冒険の舞台がキミを待つ!
◆ユミル・エランド PL:ミドリガニ
エルダナーン(エルフ)のアコライト/バード。
アコライト基本の《ヒール》での回復と《プロテクション》での防御補助を的確に行う他、《ディスコード》により1ラウンドに1度、仲間の攻撃力をアップさせることもできる、多彩なサポート職。
《ディスコード》はどんな攻撃にも適応できるので、範囲攻撃を高火力に変えることも可能。《ディスコード》による支援で、シーフの範囲攻撃が雑魚を確実に射とめる大火力に進化。大活躍した。
◆ミオラ・スプリング PL:みちのく雛木
ヴァーナ(獣人)のシーフ/レンジャー。
今回はクイックスタートキャラクターの「兎耳の射手」を使用していただいた。《ワイドアタック》による範囲攻撃を行いつつ、戦闘以外ではトラップ探知で活躍する、器用な立ち回りのシーフ職。
PLさんの知恵が冴えに冴えており、「シーフが少し前を歩くことでいち早く罠に気付き、後続の仲間を罠に巻き込まれないようにする」とか「鍵がかかってなさそうな扉でも罠に警戒する」などの閃きで、完璧なシーフを務めあげる。
◆ルナリエル PL:コノハズク
エルダナーンのメイジ/セージ。
強力な魔法攻撃に加え、《エンサイクロペディア》による敵の情報看破も怠らない。【知力】の判定では常に高い成績を残し、パーティーの知恵者としての活躍を欲しいままに。
戦闘では高い命中ダイスを確保し、百発百中の命中率と時おり炸裂するクリティカルが強烈。
◆ラートリ PL:シュウ友生
ヒューリン(人間)のウォーリア/ウォーリア。
こちらもクイックスタートキャラクターの「剣の冒険者」のデータを使用している。純アタッカーとして盤石な構成をしており、《スマッシュ》《バッシュ》《スラッシュブロウ》の3点に加え、更にフェイトをつぎ込んだ9D6ダメージは爽快極まる。
キャラクターはおっとりとした戦士の女性で、時に敵にも敬意を表することさえある穏やかな人物。
◆アーシャ PL:かみきた
ヒューリンのウォーリア/ウォーリア。
前衛アタッカーとして鉄板の火力を確保しつつ、こちらは身を固くして《カバーリング》により味方を護るパーティーのタンク役。専任ヒーラーもそうだが、タンクができるのはメインクラスの配分が自由になる5人パーティーならではだ。
溌剌で明るくパーティーを引っ張ってくれ、攻撃からも守ってくれる。老若男女問わず惚れられそうなお姉さんだ。
2025/11/24ケダモノオペラ【人の朝、獣の夜】
◆【人の朝、ケダモノの国】
今回、しらたまさんからお声がけいただき、ケダモノオペラの公式シナリオ集【人の朝、獣の夜】に掲載されているキャンペーンシナリオ【人の朝、星屑の国】をプレイさせていただいた。
さすがケダモノオペラのシナリオ集筆頭を飾るだけあって、内容はとてもシリアス、ほのぼのとした序盤から終盤へのシリアスへの落差が富士急のジェットコースター並みだった。あまりネタバレになるようなことは言えないため濁すが、楽しいギミックや激重テーマに情緒をめちゃくちゃに灼かれる、とても良いシナリオだった。終盤、展開が重すぎてGMと悶絶する結果に。
GMのしらたまさんは、何と言っても展開の描写が上手いし、プレイヤーから投げた描写から情緒的意味合いを受け取るのも上手い。これを、ゲーム進行を行いながらさらりとこなしてしまわれる。
そしてさらに、拘り抜かれたココフォリアルーム。各所に置いてあるスクリーンパネルには、シナリオに関わるケダモノオペラの世界観の一部が詳細に記載されており、カーソルを合わせればすぐに確認できる。その情報が想像以上にシナリオに深く関わってくるため、このスクリーンパネルの存在にたいへん助けられた。
細部にわたるしらたまさんのお気遣いと広いお心のお陰で、私はこのシナリオを最大限に楽しむことが出来たのだ。
改めて、GMを務められたしらたまさんに、感謝の意を表したい。
【ケダモノオペラとは】
強大な力を持ちつつも孤独な人喰いの“ケダモノ”となり、儚い人間たちとの関りを描いていく暗黒神話TRPG。
ダークファンタジーと謳っているため、シナリオはシリアスなテーマを扱ったものが多い(コメディもある)。
そもそも、人喰いのケダモノと人間が関わることで発生する、相容れないもの同士のジレンマを描くシステムなので、ケダモノと人が関わると不幸しか起きない。共に居れば共に破滅する者同士の、薄氷の上を渡るような物語を体験したい人にはイチオシのシステムだ。
【むかしむかし】
“光の主”とケダモノの大戦争がありました。
ケダモノは“闇の森”に封じ込められ、人間たちは“光の主”を神と信じるようになりました。
けれどそれからしばらくして……。
ある嵐の夜、力なき子供たちがやってきます。星屑と名乗る彼らは、親も祖国ももたず、この世界に居場所がありません。
彼らはケダモノに、自分たちの神様になってほしいとお願いします。
ケダモノは子供たちの神となり、共に理想郷を作り始めます。
◆イグニス PL:おかゆ
「私は、自分の縄張りを……あなたたちを守るためなら、あなたがどう言おうが、自分の全力をもってして戦うでしょう。それこそ、自分の正義のために。……あなたはそんな時、私という力をどう考えますか?」
「私は……護りたいんです。あなたと同じくらい、星屑の子供たちを……そして、そこには、あなただっていた」
ドラゴンのケダモノ。“鎮守(ちんじゅ)の竜”を自称し、神話戦争の時代には実際に攻め来る敵から人間の王国を護っていた。それだけに人間と関わり合うことに抵抗はなく、寧ろ情が移りやすい、人喰いのケダモノとしては奇異な性格。
神話戦争を経て自分の護っていた王国は滅び、廃墟と化した王宮を意味もなく護り続ける毎日を送っていたが……嵐の夜、星屑の子供たちと出会ったことで、彼女の幸せと不幸が始まった。
彼女は再び護るものを得た。しかし、それは永遠ではなかった。
◆【獣の夜、王の目醒め】
このシナリオは、前編の【人の朝、星屑の国】を経たキャンペーンシナリオの続編である。
そのため、トレーラーさえネタバレなので、ここから先は伏せったーに記載している。
ネタバレが大丈夫な方は、以下のふせったーのURLからお読みいただきたい。
ケダモノオペラ【獣の夜、王の目醒め】感想
2024/12/27ブラッドパス【愛・殺♡アンブッシュ!】
いやぁブラッドパスって楽しいなぁ! 大好きな吸血鬼モノ! 使うのもトランプでおしゃれ! 戦闘はちょっとヒリつく難易度だし、それでいてロールプレイもしっかり楽しめる作り! カッコいい血盟をいっぱい見られて幸せ! サプリメントでケモノや無機物の吸血鬼もできる!! 今一番キてるシステム!
だけど新入手システムの常! 遊ぶ相手が少なーい! じゃあどうするか? 体験卓でしょ。
……というわけで、とりあえずパッションで体験卓用のシナリオを作って募集をかけて「来んやろ、ガハハ」してたら来てくださる方がいらっしゃったので、晴れて開催までこぎつけることができた。
このシナリオは“突然目の前に現れて熱烈にアプローチしてくる美女をフらないと生き残れないシナリオ”として作成した。突如目の前に現れる美女をどうフるか、というのも楽しむポイントのひとつである。(どうフっても、寧ろホイホイついていっても、別に何かが変わる設計ではないが)
私は、「全人類、突然降って湧いた美女or美男子にアプローチかけられてクールにフりたい願望ってあるよね」と思っているので、そういう要素に全力で乗っかって楽しんでもらえたら、と思っていたが……プレイヤーのフライングカキフライさんは、しっかりとシナリオのコンセプトを理解し、きっちりハードボイルドにフってくださった。GMそれがやりたかったんです。もう悔いはないです。ありがとう。
今回のバディは、自堕落だが想いは一途な青年と、その青年に淡い恋心を抱くツンデレお姉さんのペア。
チャラチャラして何人もキープしてそうで、実のところ本当に想っているのはたったひとりのクーデレ青年と、次々と繰り出される殺し文句に負けっぱなしのツンデレ美女のペアだ、嫌いな人はいない!
何年も愛された老舗の味! もちろんセリフのひとつひとつが珠玉の名言! あとふたりが幸せそうなのでOKです!
◆人鬼血盟RPG ブラッドパスとは
マモノスクランブル、キズナバレットを手掛けたからすば晴さんの作品のひとつ。プレイヤーは人間と吸血鬼のPCとなりペアや3人チームを組んで、吸血鬼を越えた強力な敵、“業血鬼(ごうけつき)”に立ち向かっていくといったもの。
ダイスではなくトランプを使う珍しいタイプのシステムで、運よりも手持ちの札の調整や的確な未来予測が重要になってくる。
この作品はロールプレイを推進するルールが組み込まれているため、テーマに沿ったロールプレイをすることで、有利な効果を得ることができる。戦闘もバディもののロールプレイもどちらも楽しみたい人にオススメなシリーズだ。
ちなみにブラッドパスは吸血鬼モノなので、“吸血”シーンが組み込まれている。吸血鬼モノの表現が苦手な人には勧めきれないが、好きな人にはとことん楽しめる内容だ。
◆シナリオトレーラー
極東の大都市、東京。
星月夜をかき消す街明かり、静謐(せいひつ)をかき消す喧噪(けんそう)に満ちた、賑やかな街。
あなたはまだ知らない。
明るい光に満ちたこの街の影で、闇が蠢いていることを。
愛に飢えた業血鬼、リャナンシー。
彼女はあらゆる人間を愛しては、精氣を吸いつくして殺すのを繰り返した。
そんな彼女が次に目をつけたのは……あなた。
このまま為す術もなくリャナンシーに喰い殺される非常な宿命(しゅくめい)を課せられたあなたに、手を差し伸べたのは……。
人鬼血盟RPG [ブラッドパス]
「愛・殺♡アンブッシュ!」
──血の軛(くびき)こそ、汝らの宿命(さだめ)。
◆野団辺 蘭理(のだんべ らんり) PL:フライングカキフライ
「あんたはきっといい女なんだ。こんな男に躓(つまず)くべきじゃねえ。だから、今日のところは酒におぼれた夢とでも思って、忘れるこったな」
「仮にリャナンシーがあんたよりもずっと素晴らしい女性だったとしても、俺はあなたを選びますってことです」
高身長、無精ヒゲの、自堕落な男。
だらしがなく楽観的で、軽口ばかり叩いているお調子者。しかし口ではごちゃごちゃとごまかしていても、真剣に告白されたら真剣にフる程度の良識を持つ、しっかり者。
美人な探偵事務所の女所長、道明寺 飛鳥に惹かれ、探偵事務所のバイトを始めた。仕事の方はわりと適性があったようで、けっこう優秀である。
プレイヤーのフライングカキフライさんは……シナリオのコンセプトを拾う天才だ。なんとなくハードボイルドなかほり漂うキャラクターを作ってきて頂いたので少し期待していたが、まさか期待どおりに毎秒カッコいいロールプレイが飛び出すとは……私、そういうの大好きです。ついつい序盤のリャナンシー登場シーンを長引かせてしまったくらいカッコよかった。タバコを吸いつつリャナンシーをフる場面は、どこかの洋画のワンシーンを彷彿(ほうふつ)とさせたくらいである。
完成されたハードボイルド! クールな二枚目男の完璧な所作! 毎秒名言の嵐! 言い回しの妙がたまらない!
「何……? まんざらでもなさそうだったじゃない……? ヘンにカッコつけちゃってさ。私の前で一言もあんなこと言ったことないのに……」
「たとえいつか別れるさだめだとしても、あなたの隣にいる女になりたいって思ったの……100年間で、あなたが初めてよ。追いついて来てちょうだいね。私も、あなたの隣が良いから」
探偵事務所を経営している若き女性。……と思いきや、実は100年ほど生きている半人半鬼の吸血鬼。
普段は蘭理に対してつっけんどんな態度をとるが、かなり蘭理を気に入っており、執着心が隠しきれていない。
リャナンシーに目を付けられ、命の危機に立たされた蘭理を救うために血契(ちぎり)を結ぶことにし、「恋人になること」という約束をとりつけて自分に縛り付ける、不器用すぎるツンデレ。
チャラそうに見えてまっすぐな殺し文句に終始たじたじになりつつも、負けじとデレることができたのでとても楽しかった。
ツンデレだけど全力でデレてやると思っていたら、蘭理さんに圧倒的差をつけられて気持ちいい敗北を飾りました。
2025/3/10ケダモノオペラ【いさましいチビのホウキ】
ケダモノオペラシナリオ集、第1弾『人の朝、獣の夜』掲載の【いさましいチビのホウキ】のセッションに参加させていただいた。ケダモノオペラとしてはちょっと毛色を変えた明るめのシナリオなので、箸休めにちょうどよい。
明るめのシナリオだと聞いていたため、今回は能天気でお節介な性格のミミルズクを作成。狭い場所に頭をつっこんで観々角(みみづの)が折れてド忘れしてしまったり、コレクションにしようと街で買い集めていた品物が、子供向けアニメばりに吹っ飛んだ拍子にぜんぶ壊れてしまったり……ケダモノオペラでやってみたかった、派手に黒焦げになっても平気な人外だからこそのギャグテイストの展開がプレイできて大変満足である。
今回のケダモノは、同卓したPLのうめおさんも私も同じく異説特技を使用せず、デフォルトのケダモノを使用してプレイした。
◆ケダモノオペラとは
プレイヤーは永遠を生きる強大な“ケダモノ”となり、人や世界との関わりを描いていくナラティブ系TRPG。
ルールは至って簡単で、魅力的な人外がたくさんいるので、脆弱な人間と関わり合う人外ロールプレイがやってみたくなったときにオススメのシステムである。
このシステムでは、判定や特技を使ったときなどに〈予言〉というものを入手する。プレイヤーはこれを上手くロールプレイに組み込んで、演出していくことで物語を紡いでいく。ナラティブらしく、自分のケダモノがどのような結末を辿るのか、自由に描き出すことができる。
◆イントロ
舞台:魔法のある世界。産業の発展の裏で、ホウキに乗った魔女たちが息づいていた頃……
むかしむかし
あるところにホウキが1本ありました。
ただのホウキじゃありません。
魔女がまたがる魔法のホウキ。でも使うのは見習いだけ。
一人前になってしまえばお役御免。華々しく活躍する持ち主をよそに、宝物庫で埃をかぶるばかり……。
これでおしまいなんて、あんまりです!
もう一働きするためにホウキは新たな持ち主を探す旅に出ます。
この旅にはケダモノの助けが必要です。
◆ビブリオ PL:おかゆ
ケダモノ種:ミミルズク
お節介だがデリカシーがないミミルズク。物知りで、知っていることは何でも教えたがりなサガが文字通り人間に災いすることがままある。教えてはいけない禁呪を人間に教えてしまい、結果的に人間の国を滅ぼしてしまったという過去を持つ。その時に賢者にこっぴどく怒られたので流石に今は反省しているが、お節介で節操のない言動は相変わらずで、行く先々でトラブルを起こす。
関わるとロクなことがないトラブルメーカー。自分でもロクな目に遭わないが、自分がロクでもない目に遭っても懲りた様子はない。そのトラブルメーカーぶりは、今回、ジェマルさんのような寛大なケダモノでなければ付き合っていられなかった可能性すらある。プレイヤーも若干……反省はしている。後悔はしていない。
◆ジェマル PL:うめお
ケダモノ種:マンドラバラ
シナリオが始まる時まで、永い永い休眠期を過ごしていたマンドラバラ。眠る以前、疑似餌(ぎじえ)が大切に想っていた人が自分の本体であるマンドラバラに捕喰されたことで絶望し、いわゆるふて寝(休眠期)に入っていた。
ビブリオとは休眠以前からの関係で、大切な人を捕食して生まれた子供を人に託す時、ビブリオの知恵を借りたのが始まり。
トラブルメーカーであるビブリオの起こすトラブルに巻き込まれている自覚がない、天然なところがある。魔女に「大変だね」と同情されてしまうほど。
マンドラバラは、本体と疑似餌の心の乖離(かいり)があるという、ある意味珍しいケダモノ種だ。疑似餌は本気で人を愛するが、本体はやはり人喰いのケダモノで、疑似餌の愛した人を喰らってしまう。
人喰いのケダモノの疑似餌が、本気で人を愛してしまうのは、ケダモノとしての欠陥なのか、それとも、それ自体がケダモノの本能に組み込まれた、何かの摂理なのか……それは、おそらくケダモノのみぞ知る所なのだろう。
2025/2/22アンサング・デュエット【微睡みに落つ、君は】置きレス卓
前回、【ジャンキーズ】で共演した悪魔と聖職者のペアの継続が叶った。
今回のシナリオでは、キャラクターシートの片隅に小さく書かれるに留められていたシフターとバインダーの過去の掘り下げがなされ、知っているキャラクターの新しい一面を見つけて、大いに楽しむことができた。キャラクターの設定の掘り下げを見るのは、知っているキャラクターでも新鮮な気分を味わえるようだ。
今回のペア、クロイツさんとヘリオンは、私の中でも特に好きな組み合わせだ。ケンカばかりの凸凹コンビとして始まったが、確かな絆を育んできたふたりである。こういった、ケンカをしながらも仲が良い絶妙な関係は、すり合わせをしてもなかなか生み出せないものだ。このペアを一緒に作ってくださったつぎのさんには、感謝しきりである。
また、今回、つぎのさんの卓で異界対策室の指令タイプのキャラクター、阿部 神戸(あべ こうべ)室長に並ぶ新しいNPCとして、万慧(ばんけい)騎士団に属する教会の統括者“ジョン・ドゥ”が登場。
クロイツさんの育ての親にして、彼を弩級のカタブツに仕立て上げ、強い洗脳を施したマスターである。万慧騎士団の理念のためなら、悪魔も自分のカワイイ教え子たちも利用してみせる、ゾッとするような合理主義者。表向きは聖なる教会の裏側の闇を映した本質の体現者、と言う感じだ。
人を導き、救うはずの教会の統括者が、清濁(せいだく)併せ呑むサイコパスじみた合理主義者というのは……背筋が寒くなると同時に、キャラクターの深みに魅力を感じる。
◆『アンサング・デュエット』とは
現実と隣り合わせの危険な世界、“異界”。その真の姿を見抜く目を持ったシフターと、そのシフターを異界から助け出すバインダーとなり、異界からの生還を目指すというシステム。
ルールは至って簡単で、短い時間で濃厚なうちよそを楽しむことが可能。
キャラクターは[フラグメント]という6つのリソースを持っている。これはその人をその人たらしめる特徴や性格などの要素を表していて、異界の影響を受けるごとに、このフラグメントが別のものへと[変異]していってしまう。
隣に居る大切な人が、だんだんと自分を見失っていく中で、ギリギリのところで異界に抗う。そんな緊迫感が、ふたりの絆を深めるのである。
◆シフター:クロイツ・ハルトマン GM:つぎの
「あの時、自分は死にたくありませんでした。だから、必死でしがみついた」
「貴方が、自分を連れ出すと言ったのですぞ。此処ではないどこかに」
“強くあらねば”。生みの親を知らず、教会だけが居場所だった彼は、教会の教えに忠実だった。寧ろ、必死でしがみついていたと言ってもいい。自分に与えられた、教会という名の居場所にしがみつき、内心の疑問や外への羨望(せんぼう)を隠し、目を逸らしながら、超絶弩級のカタブツとして生きてきた。
だが、それはいつしか心の綻びとなり、彼は自分の持つ禁書に封じられていた悪魔、ダンタリアンの手によって異界に取り込まれ、深い眠りに落ちてしまう。
◆バインダー:ヘリオン PL:おかゆ
「勝ち続けなくたっていい。強くなくたっていい。“相応しく”なくたって、いいじゃねーか。俺はそんなの、お前に求めたりしない」
軽薄で尻軽な男のサキュバス。だがその実、隠し切れない面倒見の良さと兄貴肌な性分を持つ。
クロイツでは払えず、定期的に精力を貰うかわりに、クロイツ以外に手を出さない契約を結んだ。そのため、日常的にクロイツと行動を共にし、悪魔でありながら聖職者の端くれに擬態(ぎたい)して教会に籍を置いている。結果的に、クロイツが異界に巻き込まれたとき、一緒に巻き込まれるか、助け出す立場になる。
過去の自分を映す異界にて、自分がかつて天より堕ちた天使だったことを思い出す。過去の自分の過ちに嫌悪感を抱きつつも、過去があるから今のクロイツとの日常があるのだと受け入れ、クロイツを導いて異界から脱出した。
↓前回のシナリオ【ジャンキーズ】の感想
2025/2/8アンサング・デュエット【インバース・ワールド】
人づてに教えてもらったのだが、KADOKAWAへのサイバー攻撃でダウンしていた富士見書房の公式ページ、「TRPG ONLINE」が、満を持しての復活となった。
ここにはストリテラや銀剣のステラナイツといったどらこにあんのシステムや、デッドラインヒーローズのダウンロードコンテンツが充実していたのだが、KADOKAWAがサイバー攻撃を受けて、今の今までダウンし続けていたのだ。
その間に、どらこにあんやからすば晴さんなど、いくらかの公式は外部のサイトにQ&Aやエラッタ、各種ダウンロードコンテンツを移動させるなど対応してくれるところもあった。だが、デッドラインヒーローズに関しては、公式が動かなかったために、長らくサポートページを見られなかった。この富士見書房公式ページが復活したことで、キャラクターシートやサンプルキャラクターシートなどのダウンロードコンテンツが、やっと正式に再開されたのである。
富士見書房の公式ページの使用感が懐かしい。富士見書房公式ページにお世話になっていた人は、一度開いてみてはいかがだろうか。
閑話休題。
継続キャラクター向けのシナリオであることもあって、今の今まで回せていなかった【インバース・ワールド】。
これは、アンサング・デュエット特有の「同じペアで継続しシナリオをやろうと思ったら、必ずシフター役がGMになることが確定する」という問題を解決し、バインダー側のプレイヤーがGMをすることを可能にしたシナリオである。
全てが反転される世界の中で、足を踏み入れたバインダーと、シフターの立場も反転する。つまり、シナリオギミックで最初からバインダーがシフターに、シフターがバインダーに、単純に役割が入れ替わるというシナリオなのである。
立場が反転してしまったことで、慣れない感覚に戸惑ったり、これまでの相手のバインダー(シフター)としての立場を初めて痛感したりといったロールプレイが楽しめた。
今回、前回の高難易度シナリオ【アンブロークン・アロウズ】で忘却したフラグメントの持ち込みがあったため、今回は「変異への抵抗」ダイスに色を付けた。これは、つぎのさんのやり方に倣(なら)わせていただいたものである。
ふたりで楽しむために、工夫できるところは工夫する。そういった思考の柔軟さは、私にはない。つぎのさんの『アンサング・デュエット』のGMの仕方は、非常に参考になる。
ロストが苦手な人に対しては、変異への抵抗ダイスに少し色を付けるのも、考えても良いかもしれない。ダイスで最低値を出しても、次回のシナリオに忘却していないフラグメントを6つ持ち込める程度に抑えられるくらいが良いだろう。
◆アンサング・デュエットとは
現実と隣り合わせの危険な世界、“異界”。その異界の真の姿を見ることのできる力を持つ“シフター”と、そのシフターを異界から助け出す立場の“バインダー”のペアで、さまざまな姿を持つ異界を進み、脱出を目指すTRPG。
キャラクターのデータは簡潔で、“フラグメント”という、その人をその人たらしめる要素をリソースとして扱うことになる。フラグメントは、異界の影響を受けるごとに別のものへと“変異”していってしまい、そのたびに、その人らしさを失っていく……といった展開が緊迫感(きんぱくかん)を生む。
簡単なルールだが、それゆえに拡張性が高く、リソース管理はシビアなことも。変異していくキャラクターに一喜一憂しつつ楽しめる。
◆あらすじ
そこは、ふたりの“在り方”までをも変えてしまう、危険な異界。
異界の核となっているアーティファクト「反転玉」を回収する任務を受けたふたりは、時、空間、法則性を失った世界に迷い込む。
何もかもがあべこべなその世界では、バインダーがシフターとなり、シフターがバインダーとなる。
新しい感覚。変わる関係。一歩進む事すら困難な場所を乗り越えるための力は、もはやふたりの絆だけだ。
◆バインダー(前回のシフター):鬼本 零士(おにもと れいじ) PL:つぎの
「犬神クン、キミのその《正義感》を、恨んだのは今日が初めてだ」
「『もし、駄目だったとしても』などという……キミの仮説なんて否定してやる……なぜならそれが、キミが私に見せ続けてくれていた、バインダーとしての在り方だからだ」
ただただ「バインダーとシフターの立場が反転する」というだけのシナリオだが、その設定を拾って素晴らしいロールプレイに昇華するのは流石、歴戦のつぎのさんらしい。
立場が反転することで起こる戸惑いや葛藤をロールプレイに反映するというスゴ技を披露する。
異界に迷い込む直前に、「“見えない”って、どういう感覚なんだ」と、バインダーの花鶏(あとり)に問いかける“伏線”から、異界に迷い込んで立場が反転したことが発覚する時の伏線回収まで、流れるようにやってみせる。計画書か、台本でもなければなかなかできることではないのではなかろうか?
これが自然とできてしまうのは、いつもながらこの人特有のクオリティだと思う。シナリオコンセプトに対する理解度と、それを応用するロールプレイ力が高いのだ。
鬼本零士は、もともと『アンサング・デュエット リプライズ』に掲載されている公式シナリオ【アンブロークン・アロウズ】で使用した、異界対策室のキャラクターだった。自分を軽んじ、ただ任務遂行のためにすり減っていくシフターの在り方を受け入れていたが、今回の異界でバインダーの立場になり、すり減っていくアトリを見て、そばに居ることしかできないバインダーの無力を痛感する。
アトリのフラグメントが1つを残して忘却し、ロスト間近になったところで、「異界化」を使用して自分のフラグメントの忘却と引き換えにアトリを救う。シフターだった時は儚げな青年だったが、バインダーになったことで、頼もしい先輩としての一面も垣間見えた。
◆シフター(前回のバインダー)犬神 花鶏(いぬがみ あとり) GM:おかゆ
「先輩が失ってきた分、私だって……先輩を支えるためなら、できることをしたいんです!」
「自分に何があっても、先輩のことは、守りたい。それは新人のころから、変わりませんから」
ただ一直線に鬼本を想う、後輩バインダー。今回はシナリオギミックにより、異界の真の姿を見る力を得て、それに翻弄されつつも、頼れる先輩のおかげで無事生還。
今まで「見えない」ことが当たり前の立場だったためか、シフターになって初めて「見える」ようになって、感覚の違いに翻弄され、終始出目が低迷。ついには最終局面でフラグメントが1つを残してすべて忘却するという状態にまで陥ってしまった。
自分は全てを失っても、先輩だけは返したいという想いと持ち前の正義感ゆえに、今回の異界ではムチャをしたが、先輩が使った異界化の効果でフラグメントが回復。そのおかげで何とか生還を果たした。
さて、今回の件で恋心を改めて自覚し、告白したアトリだが、ふたりの関係はこれからどうなっていくのだろうか?