温森おかゆの雑文倉庫

主にTRPGについての個人的集積。

2023/09/24 コンベンション感想:マモブル・ボードゲーム

 さて。今日も今日とて地元のコンベンションへ顔を出してきたので、覚えている限りつらつら書き出そうと思っている。

 今日プレイしたのは、「マモノスクランブル」。ナラティブ系のTRPGで、PCは東京(といっても妖怪から付喪神まで多種多様な「マモノ」が居住するハチャメチャ首都)に住む妖怪や妖精や亜人といった、特異な特性を持ったマモノとして、日々起こるハチャメチャどたばたな事件に立ち向かっていくといったコンセプトのTRPGシステムのようである。

 私としては、公式シナリオの「アンラッキー・ランチ」と「テンバイヤ・バスターズ」のお祭り騒ぎ感が非常に気に入った。たまにはこんなばか騒ぎも良い。そう思える120分であった。

 キャラクター作成の特質だが、雪女や鬼といった日本の妖怪から、アラクネやドライアド、ケンタウロスと言った洋ものの妖精や怪物まで、さまざまな人外を表現できる。しかも、別段マモノの種別名に決まったデータはなく、マモノスクランブル公式ページの「サポートハブ」にて「特性セット」という形で、有名どころの人外のキャラデータがサンプルのような要領で掲載されている程度であるため、やろうと思えばマモノの「特性」を自分で組み合わせて、自由な人外を表現できるであろうところが魅力的だ。

 特性と言うのも自分で作ろうと思えば作れるらしい。要するにこの「特性」というのは、「この『特性』を使って、この場面でこうすることによって状況を解決しようと思います」という、GMへの口プロレス要素であり、これによって効果があると言った明確なデータは無いからだ。

 テレビ頭だってカメラ頭だってパトランプ頭だって、やろうと思えば簡単だ。その特性をどう使うってんだよという疑問はあるが。テレビ頭は何か電波を受信できるかもしれないし、カメラ頭はいつどこでだって見たままの風景を記録できるかもしれないし、パトランプ頭は……少し気が散るが、暗い場所でも困らないかもしれない。使い方は自由自在なので、その辺りはご自分で頑張ってこじつけて頂きたい。

 

 さて、そんなお祭りゲー、マモノスクランブルでは上記2種の公式シナリオをプレイした。以降ネタバレになるため、まだプレイしたことのない方は注意して見て頂きたい。まあ、ナラティブなので、内容を知ったところで同じようなセッションになる危険性は少ないと思うが。

 

フラジール・お冷(ひや) PL:おかゆ
 秋葉原メイド喫茶で働く26歳の雪女。山と緑の深い日本海側のド田舎の山奥から、惚れ込んだメイド喫茶のオーナーを追いかけて上京してきた。名前のテキトーさが際立つが、オフセッションで急ごしらえのキャラシを作成したがゆえのテキトーさである。なんなら最初の名前は「お冷」だけだったが、GMから「苗字を付けてください」と言われぱっと頭に浮かんだ単語をつけ足したらこうなった。場末キャバ嬢の源氏名みたいとか、言ってはいけない
 山奥出身なだけにその世間知らずは天井知らずで、UFOがウー〇ーイーツの配達員を攫って行くのを見て「まあ! あれが〇ーバーイーツですの!?」と言い放ち、恐竜が配達員を攫って行くのを見て「まあ! ウーバー〇ーツはゆーえふじぇーなアトラクションまであるんですのね!」と言い放ち、なんか知らんが絡んできた敵もキャッキャしてぶっ飛ばした挙句、駆けつけてきた警察に職務質問されて「ウーバーイー〇は職務質問まで再現するなんて本格派なんですのね!」と最後の最後まで何も分かっていないド天然ぶりを発揮。しまいには「楽しかったですわ! またウー〇ーイーツを頼みたいですわ!」
冷めきったランチをレンチンされ「(食べたら私が)溶けますわ゛ッ゛ッ゛」と言って終了していた。
 テンバイヤ・バスターズではやはり転売屋がわからず「転売屋ってなんですの? 限定フィギュアはワクワクなものですの?」
 店の水道管が破裂して水が漏れだしたのを「絶対零度で凍らせて止めますわ!!!」とか言って水道管を破裂させ、水を止めた挙句「まあ! 水が出ませんわ! 転売屋のせいですの!? 許せませんわ! 水を奪うなんて!」と義憤(???)で参戦。
 転売屋の買い子をブン殴ってとっつかまえた後、情報のお礼に噴き出した血を「凍らせて止血しますわ!!!!!!!」
 転売屋の拠点にあるぷれいすてーしょんふぁいぶな箱を見つけたりゴング見つけて欲しがったり、呪いの人形を欲しがったり散々仲間と暴れ回った。良いプレイヤーの諸君は、マネしないように。

 

吉野家・ジジ(オス猫
 ツッコミ役の化け猫。前回のコンベンションでも恐らくご一緒した方。でもって私のキャラにツッコミを入れていた方。魂にツッコミの血が流れているよ。
 「あれがウー〇ーイーツですのね!」「いやいや違う違う違う」はセッション中鉄板コント。

 

ブリキ・金沢
 どうしてこんな濃いチームになったのだ。どっからどうみても人間を模したブリキの人形。力持ちで色々投げる。電柱はとりあえずあったら投げる。ドラム缶も投げる。自販機も投げる。コンテナも投げる。通行人も投げる。
 質量があるものはだいたい投げた。投げてないのは仲間とランチと雨と水たまりくらい。

 

 マモノスクランブルはそもそも軽いゲームのため、早く終わったのでその後はボードゲームで時間を潰した。「ito」という、自分の手札の数字を、数字ではなく「人気のある商品」や「カロリーの高い食べ物」などのテーマに沿って表現し、小さい数字から手札を出していくゲームもプレイした。
 それだけなのに、思った以上に表現力を試され、白熱した。
 他の方が持って来られているボードゲームもあったのだが、名前がすでに判然としない。
 たしか「ラブレター」と、「Once upon a time」とかその辺り。
 Once upon a timeは、「のびのびTRPG」に似たようなボードゲームで、手元の手札5枚から即興で物語を作っていき、自分が持つ「結末カード」に転結するように運んでいくナラティブ系ボードゲームである。

 のびのびTRPGのようにその場その場で即興で出てきた場面カードの流れを繋げていくものとは違い、出していったカード全てが一つの物語全てを構成する要素になるため、ずっと最初の方に出されたカードも「じつは……」と変化をつけるこじつけを工夫しないとなかなか思うようなエンディングに辿り着かない。
 のびのびTRPGはほどほどに対応できたのだが、やはりすべてを繋げていくようなナラティブ系になると思考停止しがちである。