温森おかゆの雑文倉庫

主にTRPGについての個人的集積。

置きレス卓についての所感

 最近、置きレス卓(返せるときにレスを返す自由参加型テキストセッション)を体験する機会があったので、やってみた上での所感と、実際に置きレス卓を行うときのコツを少々書いていこうと思う。

◆置きレス卓に必要なもの

コミュニケーションツール
 Discord、Skypeなど。

ダイスBOT
 ダイスを振るアプリなどの画面をスクリーンショットにして送るという手もあるが、もちろんめんどくさい。DiscordやSkypeなどには、アプリ上でダイスロールができるものがあるので、こだわりがないならBOTを利用するが吉。

キャラクターシート、メモ
 今どのくらいの進捗で、ステータス変化はどのようになっているのかは、なるべくすぐに参照できる場所に置いておくとよい。

モチベーション
 保つのは大変。

マメさ
 セッションを進行させるためには、もちろんこまめに返信する必要がある。1日1回程度は最低でも確認するくらいのマメさを発揮できないのなら、ちょっと向かない可能性あり。

 

◆置きレス卓に向いているアプリ

●Discord:正直を言うとこれでしかやっていないので、他のコミュニケーションツールでやる場合のことについて詳しくは言えない。
 少なくともDiscordにはダイスBOTが導入できてアプリ上で簡単にダイスロールできるようになるし、チャンネルのテキストログを取得できるツールもあるので、やるには不足は感じなかった。

ココフォリア:チャットの更新通知は来ないが、やはりセッションを行うにあたってこれほど便利なモノもない。ステータス管理もやってくれる。マメに確認することさえできるのなら、ココフォリアはひとつの選択肢になり得るだろう。

 

◆置きレス卓の長所

背景、BGM、立ち絵の用意がほとんど要らない

 個人的にはこれだけの要素が大きなアドバンテージに感じている。チャットアプリの画面を使うので、画像ファイルを送って場面説明をすることはできるが、無理してBGMを流したり、背景をいちいち流す手間よりも流石に手軽さが重要になってくる形式だろう。

 雑に用意して雑に始めても、「だってただのコミュニケーションツールだし」で許せる気がするのはだいぶハードルが低くなると思う。

スキマ時間にできる手軽さ

 置きレス卓で一番知られている長所がこれだろう。参加時間は自由で、返信するヒマさえあればいつでもチャットルームに入ってロールプレイを行える。

 

◆置きレス卓の短所

停滞しやすい

 置きレス卓は参加時間が自由で、スキマ時間にもやりやすいが、それだけに進行が滞りやすく、また、モチベーションを保ちにくい。
 例えば、3人のプレイヤーが置きレス卓でシナリオをやっている時、3人のPCがそれぞれ同じ判定をしなければならないタイミングがあったとする。3人の参加時間はバラバラで、Aさんが朝の6時、Bさんは昼の12時、Cさんは夜の8時に変身してそれぞれ判定を行ったとすると、3人それぞれの判定の結果が出るだけでも実に半日以上の時間がかかることになる。
 これを繰り返すため、非常に進行が滞りやすいのだ。

終わりが読めない

 大抵のシナリオには、目安として所要時間が書いてあるものが多い。それを見れば、実際に行うときのセッション形式に合わせてどの程度の時間がかかるのか、セッション回数は何度必要か、ということが分かるようになっていると思われる。
 ボイスセッションで1時間であれば、テキストセッションでスムーズにいくなら3、4時間。オンラインセッションで多い3~4時間セッションで分割して行うなら、テキストセッションでだいたい2回程度で終わるな、とあらかたの予測を立てられるだろうが、置きレス卓はそうもいかない。
 こまめに返信が続けばスムーズに数日で終わることもあるが、誰もが置きレス卓に積極的に参加できるとは限らない。中には、終わりが見えなくてモチベーションをだんだんと失い、返信頻度が下がってしまう人もいるだろう。
 スキマ時間に進められるという利点はあるが、それは個々の事情によって進行速度に影響が出て、終わりが読みにくいということでもある。

相手が蒸発しがち

 置きレス卓というのは、だいたい相手が蒸発するもの、というウワサがある。私は運よくそのような憂き目にあったことはないが、関係が軽薄なオンラインセッションではよくある話なのだろう。
 置きレス卓は、前述したとおり進行が滞りやすく、また終わりが読めない。その途中でモチベーションを使い果たして、だんだんと返信頻度が下がっていき、ついには無言で消えてしまう人もいるようだ。

 

◆置きレス卓をやるための工夫

プレイ人数は少人数がおすすめ

 テキストセッション、ボイスセッションと違って、参加時間は自由のため、それぞれの参加頻度にはムラができる。
 3名以上のプレイ人数だと、チャットルームに入ってみれば自分以外のプレイヤーやGM同士でロールプレイして随分盛り上がっていた形跡があって、ちょっと置いて行かれた気分になる、ということはあるかもしれない。
 基本的に、GMとプレイヤーが1人ずつで行う1on1のシナリオなどが無難だ。間違っても多人数シナリオを無理して回そうと考えてはいけない。地獄を見る。

シナリオは短時間のものを

 試しに置きレス卓なるものをやってみたい、と思ったのなら、シナリオはまずクトゥルフ神話TRPGの「30分クトゥルフ」など、ごくごく短めのシナリオで軽めに行うとよい。これならこまめに返信を重ねれば、だいたいは2、3日で終わる。また、シーン制など、だいたいの進行具合が掴みやすいシナリオもおすすめだ。

信頼できる人、慣れた人とやるのには良いかもしれない

 逆に、初見相手にやるのはあまりお勧めしない。前述したとおり蒸発されてしまう可能性が上がるし、何よりお互いのクセや嗜好が分かっていないと、モチベーションを保ちにくい。停滞する原因はいくらでも作れることになる。
 いつもセッションする相手など、遊び慣れた相手とやるのが本当は一番望ましい。一番難しい点でもあるが。

●返信頻度、中止についてなど、ルール設定をしておくのがオススメ

 ボイスセッションやテキストセッションなどと比べ、置きレス卓は遅々として進まないものだが、プレイヤーの飽きやらモチベーションの低下による停滞を招かないためにも、やはりあらかじめ置きレス卓を敢行する前にルールの設定をしておくのが良いと思う。
 参考までに、私のやった置きレス卓の進行ルールを以下に記しておく。

・参加時間は自由

・掛け合いの上限なし、適当なところでGMが場面を切る

・ステータスが変化した場合は随時変化前、変化後を報告

・1日1回は確認、返信を行う

・1週間返信がなかった場合は打ち切りエンドとなる