温森おかゆの雑文倉庫

主にTRPGについての個人的集積。

2024/3/3コンベンション感想:トーキョーN◎VA【13mmの死神】

 コンベンションに参加すると、自分が持っていないルールブックのシステムでも体験しやすい。コンベンションに参加するようになってから、天下繚乱、異界戦記カオスフレアソード・ワールド1.0、モノトーンミュージアムなど、ルールブックは持っていないものの1回は体験したことのあるシステムが増えていく。オフラインセッション形式となるコンベンションは、TRPGの多くのシステムに触れる機会を作ってくれる。その点において、やはりネットでのオンラインセッションではなかなか実現できない魅力があると感じている。

 

 さて、3月3日、ひなまつりの日に赴いたコンベンションだが、この日はいつも以上に人が集まり大盛況だった。コンベンションに長く参加されている方も、「コロナ禍前の賑やかさが戻ってきた感じがする」と仰っていた。
 この日はボードゲームも含めてブレイド・オブ・アルカナ新版のキャラクター作成と簡単なシナリオ、最近出た新しいTRPGシステム「夜のあしあと」の公式シナリオ、トーキョーN◎VAで新しく出たシナリオ集に収録されているシナリオ、SW2.5のサプリメントに収録されている公式シナリオと、悩ましいほど多くのシステムで立卓。
 私は悩んだ末に、トーキョーN◎VAの卓に参加させていただいた。

 

 ざっと体験してみた感想としては、世知辛い時代の近未来サイバーパンクものTRPGといった感じ。
 判定にダイスを使わず、トランプによる判定をするところがなかなか特殊。自分の手元にある手札から対応するスートとなるべく高い数字のカードを出して、高い達成値を目指す。ダイスと違って次に出る出目が分からないということはなく、手札が腐っているかどうかで判定の成否が決まる。出せる達成値がおおかた見えているのは好ましいことなのかどうかについては、人によって意見が分かれるか。
 曖昧な効果の「神業」の使い方によって、シナリオの結末に少し干渉できるというシステムも新鮮だった。というのも、データはデータなのだが、ナラティブ色がそこだけ強いというか、「世界を救う」とか「あらゆる攻撃を防ぐ」という効果なので、使い方にある程度自由が利くようにデザインされているのだ。それゆえに、神業をいかに使いこなすかは経験が必要になってくるだろう。
 私はこの卓でブラックハウンドという警察組織に所属する隊員をしたが、メモを見るに上司NPCに関する所感として「細野隊長…ケチ。」「稲垣光平…クソ上司。」と書いてあった。上下関係の厳しい社会であったらしい。

 

PC1:シロ

 結城あやというアイドルのライブに取材に来た記者。クローン体の5歳だが、成人女性と同じ程度の外見年齢。
 世知辛いサイバーパンク世界でたくましく生きるため、常に録画、録音をして人の弱みを握ろうとする。
 開始早々PC2のブラックハウンド隊員の弱みを握り、護身交渉を成立させる見返りに、結城あやのコンサートチケットを渡す。
 他者の神業の使用回数を復活させる神業をもち、クライマックスで上手く使ってNPCの命を救った。

 

PC2:真田・プロキオン・良留(よる)

 世知辛いサイバーパンク近未来世界の、さらに上下関係が厳しく世知辛いブラックハウンドで働く可哀想なブラックチワワ。元ヤクザ関係者だが、跡目争いから逃げるように足を洗ってブラックハウンドをしている。その経験から結構ガラが悪いが、今回においてはただキャンキャン負け犬の遠吠えをし続けている可哀想な立場に収まる。
 だってシナリオ中での立場があまりに残念不憫枠なんだもの。
 敵の攻撃で死亡しかけたり、かと思えば何気なく出したダメージで敵を一発で殺しかけて狼狽し、他のPCの神業で助けてもらったり、終始どこかカッコつかない結末に。
 リサーチシーンで上司のクソさで先輩と意気投合し、料亭で飲み明かした後、「クソ上司ィ!」と叫びながらクソ上司を「インヴァネラブル(難攻不落)」で護り抜き、無事上司の護衛任務を達成した。
 サイバーパンク近未来ではなかなかお目にかかれなさそうな世知辛さを体験できた回であった。

 

PC3:メテオラ・ダークマタースターゲイザー

 世知辛いサイバーパンク世界で、たくましくのらりくらり生きる宇宙人。義眼デブらしい。世界破壊兵器を腹の中に呑み込んで収納したり、口から謎レーザー砲を放ったりやることは終始派手なコメディだが、最後にPC2がうっかりで殺しちゃったNPCの命をちゃんと助けてあげ、回収した破壊兵器を腹に収納したまま「なんとでもなるさ」と宇宙に去っていく姿はムダにカッコよかった。