温森おかゆの雑文倉庫

主にTRPGについての個人的集積。

セッション形式についてのまとめ

 TRPGセッションには、ボイスセッションからテキストセッション、最近ではどうしてもまとまった時間が取れない人のための「置きレス卓」といったものまで、形式が用意されている。

 なぜこれほどにたくさんのセッション形式ができたのかと言えば、それこそ個々人の時間的、家庭的、金銭的事情に合わせてプレイ環境を整えるためである。
 あるいはロールプレイのしやすさや、匿名性を上げるためなどの理由、好みによるところも大きいだろう。

 私は、ボイスセッションだけはできる時間帯が限られ過ぎていてなかなか手が出せないでいるものの、休日にコンベンションなどに参加してある程度しゃべることはできるので、多数ある形式の中から、私が今のところ知っているセッション形式について、語っていこうと思う。

 結局は個人の事情や好みに合わせて最も自分に合った形のセッションを行うだろうが、たくさんある形式のうち、どれが自分の都合に合っているものなのかを知っておくのも損ではない。TRPGセッションは、自分の都合に合っている形式のものを選んだ方が良いからだ。

 

◆オフラインセッション

時間:まとまった時間が必要
お金:ダイスやルールブックなど揃えるのにも、コンベンションでは参加費、移動費用も。
良さ:ルールブックが無くても参加しやすい。
コミットメント:ルールブックが無くてもたくさんのTRPGに参加することができる。

 家や公民館、会議室、カラオケなど、長時間集合できる場所を借りて、筆記用具やダイスなどアナログな道具を使用して行う、元祖セッション形式だ。
 そもそも、TRPGが生まれた当初、もちろん主流だったのはこの形式だろう。電気を必要とするゲームが登場する以前からこうしたゲームがあり……冗長になる予感がしてきたので、この話はここで切ることにする。

 オフラインセッションの主なものとしては友人間で行う簡素なものから、オープンな場所でサークルなどが主催する「コンベンション」「定例会」といったものが知られている。
 こうした場の良さと言えばもちろん昨今SDGsが騒がれる時代に、冷暖房以外の電源を必要としないところ……という冗談は置いておいて、ルールブックが無くても参加が容易な点だろう。

 オンラインセッションではたいていの場合ルールブック所持が求められるため、初心者で「おためし」としてTRPGをプレイしたいと言った時にも金銭的負担を負うことが多いのだが、オフラインセッションはルールブックを回し読むことが容易であるため、プレイヤーとして参加する際にはこの問題は解決されている。
 とはいえ、お試しで初心者がいきなり足を踏み入れて楽しめる環境かどうかは、その場所次第ということもあるため、一概には言えないというのが正直なところだ。

 

◆オンラインセッション:ボイスセッション

時間:短時間で終わることも
お金:通信用の機材やマイクなど、初期費用の負担は大きい。
良さ:とにかく短時間で終えられる可能性が大きい
コミットメント:まとまった時間がなかなか用意できないあなたに

 通話するための機材をそろえ、声を出しても誰も気にしないような環境があるのなら、ボイスセッションは選択肢の一つに入ることだろう。
 ボイスセッションの良さはやはりその時短効果にある。というより、本来は数時間で終わるセッションが、テキストセッション形式では何倍にも時間が膨れ上がることに起因しているわけなのだが。

 まとまった時間は取りにくいが、家庭環境から通信環境まで、通話できる環境だけは揃っている、とか、セッションに長時間はかけたくないといった人々の願いに応えてくれる形式と言えるだろう。
 ただし、やはり気恥ずかしくなってしまうことも多いので、ロールプレイのしやすさや家庭内でのやりやすさに関してはテキストセッションに軍配が上がる。

 

◆オンラインセッション:テキストセッション

時間:オンセ三倍則ということばがあるほど時間がかかる
お金:通信環境は必要。
良さ:ロールプレイがしやすい。ボイスセッションよりは環境を整えやすい。
コミットメント:まとまった時間が用意できて、ロールプレイがやりやすい方が良いあなたに

 パソコン一台あればテキストセッションの環境を揃えることは容易であるから、家庭事情や金銭事情、匿名性を守りたいなどの事情を持つ人にとっては救世主となったセッション形式である。文字でやり取りする分ロールプレイがしやすいことも魅力としてあげられるだろう。

 ただしこの形式にも、一つ決定的で致命的な欠点が存在する
 「絶対に時間がかかる」と言うことである。送られてきたレスポンスを確認して、読み込んで、返信を打ち込んで、この流れで必ず1分~数分の時間がかかる。これをやり取りして進めていくため、一日3時間の時間を取ってセッションを行って、進んだのは1シーン~2、3シーン程度、と言うことも別段珍しくはない。GMが努力してシーンを削れば、何とか6時間程度で収まることもある。

 そのため、少し長めのセッション(オフラインセッションにして6時間程度か)を行おうとした場合に、テキストセッション形式を選択した場合、総プレイ時間20時間以上にもなることはままある話である。かつて、TRPG界隈ではこのテキストセッション形式の時間管理の困難さを表した言葉として「オンセ3倍則」という言葉が度々出てきたほどだ。(因みにのんびりしていたらすぐに伸びるので、オンセ3倍則は(調子よくスムーズに進めば)3倍程度、という意味である)

 

◆オンラインセッション:半テキストセッション

時間:テキストセッションとそう変わらない場合も
お金:テキストセッションに加え、通話環境も揃えなくてはならない
良さ:PL、GMの発言がボイスでスムーズに済むため、相談などは時間がかからない。
コミットメント:一応ボイスセッションができる環境はある。でもテキストセッションみたいに濃厚なロールプレイだって捨てがたい!というあなたに

 GM、PLとしての発言を通話で行い、PC、セッション内の描写などをテキストで行うのが「半テキセ」と略される半テキストセッションである。
 ロールプレイはテキスト形式で行われるため、通話環境はあるけど家族が近くに居てロールプレイがやりにくいよ!……なんて方にも合わせやすい形式だ。とはいえ、私の私見では、かかる時間はテキストセッションとそう変わらないことも多いため、相談がスムーズに済むからと言って時間をかけないでできる形式、とは少し言い難い。

 結局セッションはテキストで進めるので、確実に時間はかかる。まあ、スムーズな場面がある分、あるていど調整はききやすくなるかもしれないな……くらいの話だ。

 

◆オンラインセッション:置きレス卓

時間:総プレイ時間は未知数だが、参加自由
お金:通信環境は必要。
良さ:まとまった時間を用意する必要がない。
コミットメント:とにかくセッションがやりたいが、どうしてもまとまった時間が取れないあなたに

 最近、「置きレス卓」なんてものの存在を初めて知った。多忙な現代社会、やはりいくらTRPGがしたいからといって、まとまった時間を用意するのは少々大変だ。人には誰しも家庭も仕事もあることだ。

 ……そんな事情をついに解決する形式が、現れたようだ。名前は「置きレス卓」。参加する時間は自由。レスポンスを返す時間も自由。交換日記のような形式で進めていくセッションである。
 最低1日1回はチェックと返信を行い、暇と時間の許す限り、参加時間は自由、参加者どうしで掛け合い上限なしでロールプレイが楽しめる。……らしい。
 実は私は一度もやったこともないし現状やる気もないので、ちらっと調べた内容を喋っているだけである。

 まあ、ちらっと調べた結果の私の私見であるが、総プレイ時間は未知数だし、参加可能な時間も人により違うだろうから、「やっと時間に余裕ができたので置きレス卓に入ってみたら100レスくらい盛り上がっててツラい」なんてことも容易に起こり得る。
 また、GMが忙しい人であればPLの宣言にレスポンスがつくのが送れるため、遅々としてストーリーが進まないなんてことも起こる。

 一長一短というか、いっそ欠点だらけだがやむを得ない場合の最終手段のような気もする。