温森おかゆの雑文倉庫

主にTRPGについての個人的集積。

YouメッセージよりもIメッセージ

 TRPGにはコミュニケーションが重要であると、私はつねづね発言しているのであるが、かといえ世知辛いこの時代、インターネットにはまるで腫れ物に触れるような、ぎこちない関係に溢れているのが現状とも言える。
 例えば、相手に何か改善して欲しいことがあって、それをどうしても相手に伝えたいのだが、伝えたら相手と自分の関係がそこで崩れてしまいそうで、恐ろしいと思った経験はないだろうか。
 そうして「お気持ち表明」なんていう最近はやりの空リプなんてしちゃった経験はないだろうかそして全く無関係の人に飛び火したあげく、誤解を受けたことはないだろうか。
 私は、ある。山ほどある。

 

 私のくだらない失敗談はこの際置いておいて、今回は、まさに「相手に自分の希望を伝える際に、やわらかい表現で伝える方法」について、話していこうと思う。

 

 それが「YouメッセージよりもIメッセージ」である。
 どういった意味であるかを、まずご説明しよう。
 単純なことだ。「Youメッセージ」は「あなた」という二人称を主語にしたメッセージのことで、「Iメッセージ」は「私」という一人称を主語にしたメッセージのことである。

 そして「YouメッセージよりもIメッセージ」とは、「『あなた』を主語にしたメッセージよりも、『私』を主語にしたメッセージの方がよい」という意味である。
 Youメッセージは、例え主張が正しい内容であっても、まるで決めつけや責められているように感じられることが多いため、ネガティブなメッセージでは特に扱いに注意する必要がある。
 では手っ取り早く実例を挙げよう。

〇Youメッセージの例

「”あなたが”長くここで止まっているから、セッション時間が押しています。早く先に進みましょうよ」

 

〇Iメッセージの例

「”私は”そろそろ先へ進みたいのですが、いかがですか」

 

Iメッセージでも反発が起きることはあるだろうが、少なくとも、責めているようには聞こえなくなったはずだ。そう聞こえたというのなら上のYouメッセージに引っ張られているか、そうでないならメンタルヘルスの受診をおすすめしておきたい。
 上記の例は二つとも、言ってしまえば全く同じ意味になる。
「時間が押しているので、先に進みたい」と言っているのだ。
 だがYouメッセージのほうはなぜか厳しく責めているようにも見え、Iメッセージの方は、純粋に自分の希望を述べているように見えるのではないだろうか。

 

 これが、相手に自分の希望などを伝える際にとても有効になる方法である。YouメッセージをIメッセージに変えるだけで、相手に自分の言葉が誠意をもって感じられやすい。

 相手に伝えたいことがあるが、やわらかく伝えられるか不安……そう言ったお悩みを抱えている読者諸氏に、オススメしたい。

 

 なお、「Youメッセージ」は相手に強く意味を伝える効果があるため、逆に感謝を述べる際や、どうしても厳しく諭す必要がある際には有効と言われている。要は適材適所なのだが、基本的にはIメッセージ、と思っていただいて差し支えない。