温森おかゆの雑文倉庫

主にTRPGについての個人的集積。

TRPGに向かないと感じたら

 TRPGなんて、別にやめても構わないのだ。

 いきなり当たり前のことをと思われるかもしれないが、今回はあえて言うことにした。

 TRPGなんていうゲームは結局ゲーム、娯楽なのだ。自分に向かないと思ったらやめたってかまわないし、それは誰のせいでもない、自分の判断なのだから、自由にすればよい。気負ったり、誰かに忖度することもない。
 逆に、TRPG初心者対応の場で、せっかくルールブックを買ってくれてまでTRPGを志してくれた初心者さんなのだから、自分が頑張って、どんな人でもゲームを楽しんで続けられるように努力しよう……などと、気負う必要もない。
 合う、合わないは個人の判断であって、外野がどうこうできる話でもない。
 その「向かない」「つまらない」に差し掛かった地点でちょっと観点を変えて「どうにかならないか」と考えることも、個人の自由だ。
 他人と関わるゲームだからと言って、その辺りの自由に過干渉になって、気負う必要はないのだ。


「自分はTRPGというゲームに向かないのではないか」と考え、ルールブックに触る事すら億劫になった経験はあるだろうか。私は、ある。
 クトゥルフ神話TRPGから入った人間なのだが、あの分厚いルールブックを買ったのはたしかもう十年以上前の話になる。しかし、その当時はまともに遊べる友達も得られず、結局そのルールブックは押し入れの奥で鎮座し続けることになった。その後成長してから再びオンラインセッションでやり直し始めた時も、あまりうまくいかなくて「自分はTRPGに向いていない」と思い、しばらくルールブックを触ることが嫌になった時期もたびたびある。

 TRPGというゲームは、共に遊べる友人のあるなしも含め、個人個人に向き不向きがある。私はたびたびTRPGというゲームを「コミュニケーションの上で成り立っていく遊び」であると表現するが、その前提……「コミュニケーション」が苦手な人というのもTRPGプレイヤーの中にはざらにいる。それでもどうにか努力と個人個人の協力によって成り立つゲームだから、コミュニケーションが苦手だからと言って敬遠する必要はないのだが。…まあ、あまりに通常の会話が難しい人間というのもいて、そこまで来ると不向きと言わざるを得ないこともある。

 

 自分の好きな趣味なのだから、せっかくならその道は広く万人に開かれ、誰しもが楽しめるゲームだと言いたい気持ちは私にもある。

 だが実際のところ、TRPGの場でどうしてもたくさんの人と関わり合っていくうえで、どうしても「他人と快く遊ぶことができない人」には遭遇してしまう。人間は千差万別であり、TRPGが人間同士で行うゲームである以上、あまりに悪意の強い人や、あまりに会話が通じない人がやるとほぼ確実に問題が起きる。TRPGというゲームは、万人受けとはどうも言い難い。
 人には何事にも向き、不向きがあるものだ。嫌になったってかまわない。距離を置くことを決めても構わない。それを止める権利は誰にもないし、そのことで気に病む必要も、どこにもないのだ。