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主にTRPGについての個人的集積。

初心者向けのシナリオ

 以前、オンラインセッションを含めたセッション形式や、無料で遊べるTRPG初心者向けのTRPG、オンラインセッションの日程調整についてのまとめを公開していたが、
今回は、オンラインセッションの右も左も分からないオンラインセッション初心者の読者諸氏のために、TRPG初心者も含め経験の浅い方におすすめのシナリオについて、まとめていこうと思っている。

 諸氏のシナリオ選びの一助になれるなら幸いである。

 また、システムによってはあまり時間や人数の融通がきかないものもあるため、注意と覚悟は必要だ。とくに戦闘ありのシステムはなかなかその点の融通が利かない。

 

 

◆時間:短時間

 初心者に長時間のシナリオは少々荷が重い。時間がかかるということは、それだけ日程を調整する労力も余分にかかるということだ。1日3時間のシナリオを計5回で終わらせると仮定しよう。たいていの場合、セッションに対する自分自身の相性や、同卓者との相性などは、早ければ初日の第1回目、じっくり吟味してもだいたい3回目くらいでほぼ確定する。ただセッションに参加した時点で後に退きにくくなるため、苦痛と感じていても、数回は数時間のセッションを越える必要が出てくる。

 このことについては初心者のみならず、経験者の初見同士にも言えることである。初見同士で相手との相性が分からない状態で、長時間にわたるシナリオをプレイするのは少々リスキーだ。人同士、あるいはシナリオ、システムとの相性が悪かった場合、苦痛がただただ長引く結果になりかねないからだ。

 どちらもセーフティとしてセッションを降りる、という最終手段はあるものの、やはりそのようなことはなるべく避けたい。そのような方法を取らなくても、最初から1、2回で終了するような軽いセッションであれば、まだ心労も軽かろう。

 

◆難易度:カンタン ロスト率:低確率

 いわゆる「初心者向け」と銘打ったシナリオをプレイすることが望ましい。戦闘を避けることができるシステムであれば、戦闘のないシナリオ、戦闘が避けられないシナリオであれば、戦闘はあってもギミックを凝っておらず、GMもPLも楽にプレイできるようなものがよい。

 ロスト率についてはもちろん、初心者であるうちは自分がせっかく作ったプレイヤーキャラクターがあっさりと死ぬ感覚には慣れないだろうし、TRPGにはセーブ/ロードなんてないので、TRPG自体に慣れ親しむまでの間は、ロストを極力避けられるようなものが良いだろう。

 戦闘があるシステムではロストはもはや織り込み済みでプレイする必要はあるため、初心者に戦闘の存在するシステム、シナリオはお勧めしかねる。

 

◆人数:少なくとも初心者は1名までが推奨、少人数向け

 これは初心者に対応するGM向けであるが、システムやセッションに慣れていないことが分かっている初心者を入れる枠は1名までにしておくことが望ましい。他の枠は少なくとも、プレイするシステムを1、2回はプレイした経験のあるプレイヤーで固めた方が、GMは対処がしやすい。

 GMはプレイヤーが経験者揃いであっても、ゲーム中の処理や描写に追われ忙殺されがちである。初心者を加えるということは、その処理や描写の合間合間で、初心者に対する説明や質疑応答などを挟む必要がさらに加わるため、より忙しく、難しくなることは避けようがない。初心者の人数が増えればそれは倍々に増えていくと思っていい。初心者にじっくりと確実に対応するためにも、セッションに招く初心者の定員は通常1名まで、としておいた方が無難である。

 加えて、システム自体が最低人数が決まっているようなものでない限り、少人数向けのシナリオを選択することが望ましい。
 時間の話に戻るが、セッションというのは人数が増えれば増えるだけ、時間もかかる。テキスト形式のセッションでは特にこれが顕著である。人数が増えると終了時間も読みづらくなるため、かかる時間と読みづらさを考えて、初心者には不向きだ。

 それから、プレイヤーが3人にでもなれば大体は「よく発言するプレイヤー」と「あまり発言しないプレイヤー」の差が出てくる。「あまり発言しないプレイヤー」が初心者であれば、もしかするとその場合「よく発言するプレイヤー」の勢いに気圧されて発言しづらくなっているのかもしれない。よく発言することは何も悪いことではないのだが、初心者のうちは経験者の知っているそのバランスが掴めず、黙り込んでしまうことも仕方がないため、4人や5人のセッションになると非常にフォローしづらくなってしまう。その点でも、初心者を加えたセッションでは可能な限り3名程度の少人数で囲んだ方が無難と言えよう。

 

◆シナリオの内容:軽め

 いわゆる「鬱シナリオ」とか「NPCが死亡するようなシナリオ」は初心者向けには少々刺激が強いものになるかもしれない。当人がそれを自ら望んでのことなら、寧ろ積極的に行っても構わないだろうけれど、シナリオ達成の結果、PCは生き残るが少々後味が悪くなってしまったり、不安の残るようなものだと、楽しみ切れないまま終わってしまう可能性もある。

「あなたの活躍で事件は解決。以降被害に遭う人もいないでしょう。お疲れさまでした」といった程度のシナリオか、ほのぼのとしたシナリオをお勧めしたい。

 TRPGは多様な趣味嗜好に合わせてシナリオも多種多様なものがあるので、暗いものは本当に暗いし、グロゴアも加減の程度はシナリオ作者によってさまざまである。

 自分の許容範囲をゆっくり探りつつ、気長にTRPGを楽しんでいただきたい。

 

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